瞬く聖域
もっぷ

見た目に少なくとも毒はないらしい
わたしの顔立ちを思ってのこと
とにかくおまえは黙っていろとのアドバイスは
おとこ友達からしばしばもらっていた
ちゃんと頷く、そしてみんなで遊びに行った
飲み屋だったり もっと大勢の見知らぬ人々のなかへだったり
わたしは忘れっぽいし 言いたい言いたい言いたいことは
たくさんできる その場で過ごせば過ごすほど

ゆるされる時代が終わってさいわいなことに
わたしはアルコールが先天的に無理だった
つきあいからは自ら遠ざかりそしていまさびしくてたまらない

あと一つのアドバイスも思い出す
たばこは似合わないよ
老若男女を問わずに気にかけてくれたことだった
案じてもらえて それを
蹴っ飛ばしてきて いまさらどこへ、かあてもない
ブラームスの話をぶち壊してクセナキスだケージだ言う場は
失ってしまってから ブラームスのほうがよくなった けれど
いつの頃へもとくには 戻りたいとも思わない
そしていまさびしくてたまらない



自由詩 瞬く聖域 Copyright もっぷ 2016-12-12 21:04:20
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