小さなわたし
水宮うみ
わたしのなかに小さなわたしがいて、週五日小学校に行く。
わたしが何もしてないとき、小さなわたしは学校の休み時間に考えている。
わたしについて、小ささについて、小さなわたしについて。
夜一緒に眠るとき、小さなわたしはわたしの何もなさを楽しんで聞いてくれる。
ネットで見た、誰だって知ってるネタで笑ってくれる。
なんだかわたしは小さなわたしになりたくなったので、「小さなわたし」で検索してみたら、たくさんの小さなわたしが出てきた。
無数の「わたし」にとっての「小さなわたし」がいて、わたしはうんざりして悲しくなって調べるのをやめた。
眠る前、ほわほわとした小さなわたしに聞いてみた。
「どうすれば小さくなれるかなぁ。」
「わたしのこと、忘れ去ればなれるよ。減らして減らして飛び上がるんだ。」
小さなわたしは虹色に微笑んだ。
自由詩
小さなわたし
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水宮うみ
2016-12-11 00:21:39
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