カカオ
藤鈴呼


おはようございます と言うと
こんにちは が戻って来る

それならば まだ イイ
許せる範囲内ですよ などと

上から目線で 豪語した後で
深い 溜息を 吐く

それは 深い
深海の底で 見つけられた チョコレート

外側は L字型になっていて
何処までも 伸びるのです

アーモンド入りならば
形は 丸でしょう なんて
なんて 体たらく

もっと 想像力を 働かせて ごらんなさい
このチョコレートは

三角にだって
四角にだって

変身するのです

水のように 流れ
雲のように 戸惑いながら
固形物となる 瞬間

原材料の カカオを
一瞬でも 思い出して 貰えましたか

もらえましたか

世の中は 甘い言葉で 溢れてる
それは まるで チョコレートのよう

言い間違えても 皆が知っているから 大丈夫

誰の認識の中でも
チョコレートが コーヒーに 変身することは ない

強いて 言うなれば
二人の相性が 最高などと 言うことで

それは 味わった瞬間が なければ
分からないこと

キラキラと揺れる
この 白い粒は ゴミではないので
安心してくださいと 

銀紙の表に 小さな文字で 描いても
誰も 読めないんだからね

ただ 分かるのは
香ばしい 雰囲気

それだけで

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自由詩 カカオ Copyright 藤鈴呼 2016-12-01 21:31:02
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