雨越しの景色
水宮うみ

町を散歩していると、僕がちっぽけな存在だってしみじみと感じられて、安心する。
僕より大きい樹が、存在を教えてくれる。
大きい樹は、存在以外のことを何も教えてくれないから好き。
僕は自動車より小さい、家屋より小さい。自販機と同じくらいの大きさで、色んな飲み物が売られている。自販機さんだってお金が欲しいだろうけど、今日は何も買わなかった。
無数の小さな雨たちのなかにいる。
落ちてくる雨たちで水面がパチパチってなる。
水たまりを踏んだらシャボン玉がふわふわ浮かんで飛んで、楽しい。



自由詩 雨越しの景色 Copyright 水宮うみ 2016-09-29 11:37:28縦
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