あしたがあるさ
天野茂典

  

   午後4時
   部屋のカーテンは締め切ったままだ
   どこへも行けなかった
   ビデオを見るのも
   音楽を聴くのも
   ジャンボ機で彼女に会いに行くのもできなかった
  

   一日寝ていた
   読書もできずに
   溜まった疲れが瘤のように
   肩に張り付いていた
   ぼくはラクダになって砂漠を
   眠り歩いていたのだ


   春の海ひねもすのたりのたりかな   蕪村


   春が近い証だろうか
   いま自動販売機で買った2本の缶コーヒーを飲んだばかりだ
   あしたがあるさ


                 2005・02・26


未詩・独白 あしたがあるさ Copyright 天野茂典 2005-02-26 16:23:00
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