マスクしましょう
蒼木りん
牛カルビ焼が食べたいと昨夜
寝床で想い欲求
今朝
少々フラつきながら買い物に出た
はじめのスーパーで桃の缶詰
ほかに入用なものを探してカゴに入れて回るうち
空調が寒い
まだ
出歩くべきではなかったと後悔する
青ざめた顔が
死人のようだったのか
レジの向かいのおじさんが私の顔をちらちら見ていた
ごめんね
うつってしまったら不運でした
ということで
期待を込めたコンビニへ向かう
も
牛カルビ焼はなく
豚カルビ焼はあった
豚カルビで我慢しよう
甘くない豚カルビ
私ほど甘くない世の中
そのまえに
病で味覚が少しイカレている
誰とは云わないが
彼の人もイカレている
毒のある母は太った
色気づく娘は痩せた
親娘で買い物である
もう関係ないから気づかぬふりをする
触らぬ神である
私にも触れてはいけないよ
うつるよ
私の中で培養されて強力になった
あれが
牛カルビ焼
食べたいってさ
マスクをするのを忘れていた
世の中にはこんな人もいるので
注意してください
ピン・ポーン