うりふたつ
千波 一也



いつからだろう
大きな自分にあこがれている

いつまでだろう
小さな自分にすくわれる自分を
受け入れずにいる

燦々と
太陽のような眼差しと
ぬかりなく
闇夜のような眼差しが
ひとつの命を
支え合う

ほら、
放っておけない背中が
見えないか

聞き捨てならない傷みが
聞こえはしないか

互いに
まるで異なるくせに
そんなところが
互いに
まるでそっくりで

みんな、うりふたつ

到底
自分ひとりだけでは
うつしみることの叶わない
顔を
持ち合って

みんな、別々に
てんでばらばらに
いつからか、いつまでか
うりふたつ







自由詩 うりふたつ Copyright 千波 一也 2016-06-17 23:13:01
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