距離感
小川麻由美

見守っている
見守っている
見守っている
見守られているだけなんて嫌だ

繋がっている
繋がっている
繋がっている
繋がっているだけなんて嫌だ

寄り添う
寄り添う
寄り添う
寄り添っているだけなんて嫌だ

私は人と人との距離に
翻弄され 翻弄され
淀みでクルクルと回って
どんどん世界が小さくなっていく

淀みから抜け出す格好の瞬間
流木に必死につかまったものの
淀みから抜けられたのか
未だ淀みに居るかも定かではない

私は 人と人
翻弄され 翻弄され
どんな事があったにせよ
結局のところ
淀みで回る人間のようだ

それは もう 致し方ない
淀みで生きる事もまんざらではないと
思える日を 待ち 待ち 続ける
 
見守られる 繋がっている 寄り添わられる
これらは まんざらではないかもしれない
思える日を 待ち 待ち 続ける  


自由詩 距離感 Copyright 小川麻由美 2016-06-16 03:35:06
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