初夏の刹那
るるりら

心明は暗きまま
 あけてはくれて繰り返す放埓に
  やぶにらみのいばら屈辱の叱咤
  (暮れなずむ空に水音蛙の声
   星々がしずかに 瞬きを増す頃)
                     
     七月の川辺の暗き藪に水だけが光り
      みつけたい相手をさがしてゆききする
       蛍も ひとつの危機なのだ
 
       (阿弥陀籤のような畦道の草はゆれ)      
        目を凝らせばゆるやかに
       空にうかぶように蛍飛ぶ         
       風はより清くながれ                             
      Draw a loop  いのちのはいれつ 
    色を越え形を越え 
  地上にできた天の川
 全宇宙の放出しているものは
 善だけではない 
 透明は 
 くろぐろと うねりながら ときおり光るのだ
  
  (ほたるの波の 白いあとさき)
  かみのごと とうめいな住所に 
   あたらしき からだになりて 発光す     
   ああ かがやいている燈火よ
    葉影にかくれても燃えている
     光は湧いて消えかける
      消えかけては燃え二匹往く


*本作品は、宮沢賢治の春と修羅 (mental sketch modified)のパスティーシュ作品です。
なお、以前 わたしが企画させていただいた七夕祭に私が みなさまの作品に付けさせていただいた
詩句のいくつかを詩行に とりいれさせていただきました。


自由詩 初夏の刹那 Copyright るるりら 2016-06-15 18:30:03
notebook Home 戻る  過去 未来