アンドロメダ行き
あおば


アンドロメダは
悪い子
悪い癖があって
悪いことが大好きで
悪賢い家来を連れ歩き
出会う傍から
おとなしい子の
頭をぽかり
ぽかりぽかりとぶん殴る

おまえ悪い子
良くない子どもの出来損ない
掴まえてお仕置きしてやると
おとうさん
アンドロメダを
悪い子を追いかけて
悪い子を掴まえて
お化けくじらに食べさせる
アンドロメダは泣きじゃくる

くじらは良い子のお友達
悪い子は良い子に敵わない
勝ち負け戦の後始末
押っ取り刀をへし折られ
くたびれもうけのご用聞き
手柄を立てる見せ場も無くて
朱房の十手を見せつけて
悪い子良い子の見境もなく
小学校をしょっ引いて
薄暗い番屋に閉じこめて
メドウサの首を突きつけて
即席の子どもの人形拵えて
悪い子良い子を売りさばく
悪い子目玉が無くて買い叩かれて
ずたずたに引き裂かれ
良い子暴れて逃げて舌抜かれ
手足も抜かれて引きずられ
なにも言えずに地獄に落ちて
鬼のふんどし洗わされ
悪い子探す暇もない
悪い子食われて影もない
メドウサの首を曝す奴
悪い子のお友達という噂
悪い子良い子と逃げ出して
地獄の釜を蹴っ飛ばす
死んだはずのメドウサが
にっこり笑って
生き返る
アンドロメダは
ひっくり返って
大慌て
悪い子
良い子
どちらがいいか
悩んでる





初出 poenique 即興ゴルコンダ(2005/02/23


未詩・独白 アンドロメダ行き Copyright あおば 2005-02-26 00:02:19
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