シャボン玉
水宮うみ

僕たちはシャボン玉よりほんの少しだけ頑丈にできている。
超構造を覗き込み続ける勇気こそが僕たち野良犬の一つの愛だ。なんて、
そんな神様みたいなことをぼやいたって野良犬は非神様に過ぎないのにね。
誰があなたを誰かにしたんだろう?
あなたは誰かにとっての誰かであることに耐えられず、
今は人里離れた人里に暮らしているのだっけ?
元気にしていますか?というか、猫でありつづけていますか?僕は気恥ずかしさで君に手紙を書くことができない。
人里離れていない人里で、1000通の手紙を燃やしてパーティは始まった。でももう既にパーティは終わったようなものだ。誰にも元気がないのだもの。
それでも、パーティの始まりにパーティの上で幼稚園児が吹いた虹色のシャボン玉は、きれいだった。遠いあの日常を思い出させるくらいにきれいだった。


自由詩 シャボン玉 Copyright 水宮うみ 2016-03-18 10:51:03
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