南国の魔女か人魚か轟きか
藤鈴呼


みなみ町の角を曲がると 
尾ひれがついてくる

それが嘘だと決められれば 
楽だったのだが

尻尾と箒を間違えたから 
柄で叩かれた

太鼓のバチ以上に 罰当たりな当たり方で
頭に来た僕は

囁く代わりに 
雷を落としてやった

轟と言う漢字が 
押し寄せて来る

何度 タイヤで轢こうと思ったって 
出来やしない

こんなことは 初めてだ

埋め込まれた 硝子の破片みたいに 
痛々しいままで

動けない プラスティックの
向こう側に見えるのは

誰にも飲めぬ 
オブラートばかりだ

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°


自由詩 南国の魔女か人魚か轟きか Copyright 藤鈴呼 2016-03-10 21:13:02
notebook Home 戻る