鍵   
服部 剛

草茫々の只中を
分け入ってゆく…夜明け前
(突如の穴を、恐れつつ)

それはまったき暗闇に似て
清濁の水を震える両手の器に、揺らし
あわせ、呑む。

――我は信じる。
  この手におぼろなひかりを帯びた
  一つの鍵を。  






自由詩 鍵    Copyright 服部 剛 2016-02-14 23:15:52縦
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