還流
千波 一也



ひとの
内側をみていたはず、が
ふと気がつけば
己をみている

遥か
一等星に焦がれていたはず、が
暗がりに安堵している
いつのまに

わからない
未来に震えていたはず、が
ふと気がつけば
思い出の中

もう
捨ててしまったはず、が
ぎゅっと握られていた
いつの日も

あやまたず
正しさを求めていたはず、が
ふと気がつけば
許しを請うている









自由詩 還流 Copyright 千波 一也 2016-02-04 22:24:30
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