鍵穴
千波 一也



鍵穴を覗くと
真っ暗です

わたしにとっての鍵穴は
鍵穴にとってのわたしは
見えずともよい間柄
なのでしょう

互いが
そこに
在ることを知ったうえで
見えずともよい間柄
なのでしょう

鍵を仲立ちに
つかの間だけつながって

ときに
つかの間のつながりさえ
感じぬままに

気づかぬままに








自由詩 鍵穴 Copyright 千波 一也 2015-12-09 21:33:01
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