さく果
藤鈴呼



ササユリの花を 知っているだろうか
市町村の花にしているところも 多いと言う

花言葉は 清浄、上品、珍しい
そう 貴女の 人生みたいだ

浄化されるべき 道を求めて
転がり込んだ地で 回転し続ける

それは 終わらぬ店
開店したら 閉じることも 知らぬ花びら

馨しさで 周囲を魅了したら
膨らみ始める
まるで ホウズキのよう

ぷくん 小さな音が 響きそうな刹那
君は ゆっくりと 笑う
見て ねえ わたしを
ちょっとは 美しく 染まったでしょう?

あなた色に?
わたし風に。

貴女の周りには 今日も
優しい風が 吹き続けている

何度 拭っても 消えぬ泥濘の中
数年 待った

幾星霜 ねえ わたし 待ったの
月の女神が降臨するまで 待てなくて
自ら 走った

必死の足音が あなたの耳にも
届いたでしょう?

貴女が纏った 新しい名が
そろそろ 真実と成る

果実はね 熟すと 紅くなるんだって
信じて来た

ねぇ 違うよ
青い房の中に
無数の倖せが 詰まっているの

200個の 小人達が
包まれて 生きるのよ

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自由詩 さく果 Copyright 藤鈴呼 2015-11-28 00:12:23
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