パンダベアアンドオルカ、だっこ!
ともちゃん9さい

柔軟剤こっからうち、パジャマ安心だっこ、おかあさん!

おうちかえりたくて、こどもびょういんぬけだしたきみは、からだがよわいから、
夜の海あわだって、手、ひっぱられておぼれてしんじゃって、
砂まみれそぼそぼのからだぬけだして、うかんでへんなたかさで、ふかんでみてる。
ここが天国じゃないのなら、毎日かしこい人しかこたえられないまちがいさがしなので、
いたみと、めと、ずっと、きいていたい音楽をいっこずつとめて、
そういう映画の世界観のなかでとっくにつづけてるのかもしれないね。

黒板のつめの音うそつきってくるしみを、明日すてるぬいぐるみにぜんぶ食べさせたい。
モノラルがかたまる、しゃがんだ線香花火のたまの回転の表面、地球のはじまりがみたい。
まだない海がみたい。

カスタネットで遺書きざむきみのリズム、左右にふりわけられたかべの音楽、
ぜんぜんさびしくないお別れ会がとどこおりなくすすむ。
環七のかれた花のよこでうかんでるきみとの共有がなくなって、タンバリンがはじまる。
すきでもきらいでもないって顔の写真ばかりたまるのやめたい。
なみおりたにおりわかんないぐちゃぐちゃ、チャイムたすかって、昼休み、
あたらしい恋のかるい靴ではしる恋をまだしらない。

一年中夏をだきしめて、海がちかい街のにおいをかぎわけている。
ひたいはえぎわひっつくおでこぺとぺとのきみ、おかあさんの背中あつい視線でみつめてる。
いえのねこがみてる窓のそと、
不純物まう海のいろの空のいろ、ねあせで目が覚める真夜中からあつめたいろ、
横からみる、つよいまなざしレンズの、とうめいとふくらみ。とじこめられてる。みたいな、

誰がいちばんかわいそう、誰がいちばんかわいそうかわいい。

雪にかわる。

とおくとおく、もこもこのきみがみえるよ。
上手に説明できないたすけて、さらさらつもるのぜんぶ食べたい。

冬に夏なつかしむおろか、パンダベアアンドオルカ、
しぬまでかわいいっていわれたいよ、かなわない、のかな。
背がひくくなりたいってそんなにねがったかな。
背がたかくてかわいくないから先生にいっぱいおこられた。
背がひくくてかわいいきみをいじめたって、おこったおばあさん先生とっくにしんでる。
背がひくくてかわいいおばあさんになりたいみたいな、まだなにもしていないわたしを、
音楽はきみのきょうき、数年後にいたいきょうりゅう、なんだ、きづけなくて、きずけなくて、
だれかにみえてるわたしはきっと、セキセイインコころした顔してるから、
ヤモリちぎれる夢ばかりみるから、きらわれたくない、きみにきらわれたくない、

かわいくない、かわいそう、かわいい。

だっこ、
だっこユアセルフだっこ、
すぐ死ぬんだったら泣けるよ。
死んでるんだったら泣けるよ。


自由詩 パンダベアアンドオルカ、だっこ! Copyright ともちゃん9さい 2015-11-15 20:09:09
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