都会に住む人は
藤鈴呼


過疎化が進むと
大型連休時には
BIGドーナツが 形成されるらしい

まことしやかに噂された
コンクリート・ジャングル

隙間風に 項垂れながら
歩く 人影も
まばらになった
午前3時

懐かしいばかりの
ドーナツ・ショップで
少し 早めの 朝食

ハヤスギルヨ

未だ 朝焼けさえも
拝んでは いないのに

まだら模様
誰かのシャツが
レオパード柄だったので
ニヒルな笑みを 繰り返しながら

それと 感付かれぬ様な角度で
飲み乾した COFFEE

過去か 誠か
そろそろと 起き上がる 魂
その中に 浄化されぬ 我の想いが

きっと 隠されている
そっと 隠されて 生きる

田舎が 無いのと
あなたが 嘆く

世の中 大移動シーズンで
気忙しさの中にも
愉しげな笑顔が ちら・ほらり

わたくしは 都会生まれですから
一体 何処へ行けば 良いのでしょうと
けんも・ほろりん

静かな 涙が 
流れたので ございます

帰る場所が 無いと言うこと
裏を返せば
ずっと ここに 生きると 言う事

そして
都会 その場所が
皆の 憧れの地で 有る限り

憧れの場所を 見出せないと
言う事ですか

悩みも 訛りも
一所懸命に 飲み込んで

スックと立って 小気味よく
スマートな 生き方
痛みなど 仕舞い込んで

まるで 何も なかったかの ように
まるで 何も 感じないかの ように

帰りたい場所や
行きたい場所が 混在して

頭の中が こんがらかって しまうんです
ねえ どうしたら 良いですか

線香の先が
すっと
とぼけた角度で

消えた

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自由詩 都会に住む人は Copyright 藤鈴呼 2015-11-10 00:13:56
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