光と時間
しもつき七





そして
翳りなく空はかがやきを増して
ゆくりなく月日をもちさる
あなたの舵でもって



トー
という音がきこえて
それは地鳴りのようでもあった
つられて飛びたつ鳥たちの群集
夜がくるからね
といった
息を吸いこむ
みぞおちのあたりに
ずっともたれていたいとおもう



円環に
なるよう祈っている
強くて美しいひとつの輪
頂点で光る北極星



ページをめくる風がやってきて
方位をうしなうとき
でも
忘れちゃだめよ
わたしのあげた呪いのこと
すべてうまくいくのろいのこと



積荷は
なるべく小さく
避けられない波はできるだけ低く


船が出る
いま櫂をにぎる
あなたが光で
うれしい




自由詩 光と時間 Copyright しもつき七 2015-11-04 20:28:50
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