鬼ノ涙   
服部 剛

修善寺の源泉で
足湯に浸した
両足は
鬼の如く真っ赤に染め上がり
旅人は心に決める。

――この足で、日々を切り裂こう

娑婆の世を生きるには
時に…鬼と化さねばならぬ
が、赤い仮面を剥いだなら
ひとしずくの水晶が
ぽろり、骨ばる頬に落ちるのだ。  






自由詩 鬼ノ涙    Copyright 服部 剛 2015-10-27 20:13:40縦
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