嘘をついたぶんだけ花が咲いたりしているのかな
北大路京介


青空を向いた水道の蛇口
ごくりごくり 水は冷たい

鉄棒に持たれながら
ときには逆さまに君を見ていた
あの頃の世界は美しかった

 嘘をついたぶんだけ大人になっていってるのかな
 君を好きになってから臆病になった気がする

 大きな声で叫ばなかったことを後悔している
 いつも誰かのせいにして逃げてきた それが楽だったのかな

世界は美しい そう言える日がくるのかな
君以外の誰かにときめくことがあるのかな

花に水をやる ホースの水で
ときどき見える虹みたいなものが君を思いださせるよ

嘘をついたぶんだけ花に水をやっているのかな
嘘をついたぶんだけ花が咲いたりしているのかな


自由詩 嘘をついたぶんだけ花が咲いたりしているのかな Copyright 北大路京介 2015-09-25 22:20:36
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