1460日
AquArium

あの日、890km先を目指して捨てた、街

4年ぶりに歩いてみる
泣き崩れた昭和通りも
あなたと歩いた警固神社も
何も知らない顔で佇んでた

行きつけだったBARの店長は
独立して自分の店を構えていた
就職氷河期に出会った戦友は
お腹が大きくなっていた

変わらないものも
変わるものも混在して
時のスピードに追い越されそうで
追いつけなさそうで

本当は怖くて
誰かに忘れら去られてしまうのも
誰かが遠くに消えてしまうのも
本当は怖くて

私が選んだ、たまに息がつまりそうな、街

六本木ヒルズから
行き交う人波を見下ろしては
まだ描けない夢のことを
四六時中考えている

ひとつずつ手に入れればいいのに
まだかまだかと
現実に愛想を尽かしてしまいそうになる
なんでなんで

掴めたものと
掴めずにいるものの境界線が
たまにあやふやになったり
あやふやにしてみたり

本当は怖くて
あなたを忘れてしまうのも
あなたが変わってしまうのも
本当は怖くて

確かなことを、ずっと求めてた


自由詩 1460日 Copyright AquArium 2015-09-22 14:53:23
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