3本の映画
ゴースト(無月野青馬)

『崖の上のポニョ』も
『もののけ姫』も
『天空の城ラピュタ』も
ポニョが宗介に受け入れられなかったら
サンがアシタカに受け入れられなかったら
パズーがシータに受け入れられなかったら
話は終わっていた
それも
だんだん問題が深刻化している
パズーは人間の少年だったが
ラピュタを目指し父親の汚名を注ぐことに執着する少年だった
(友達はいるのかいないのか)
サンは人間だったが
犬神の思想を引き継ぐ半獣半人の精神の持ち主だった
ポニョは人面魚だった
しかもブリュンヒルデという名を持ち魔法を使う謎の生命体だ
サンとでさえ
アシタカは交歓の完璧な一致を得たわけではない
場所の限定があった
ポニョになると
元々が魚であり半魚人形態がある
種の違いがある
それを乗り越えなければならない
映画の中では
宗介は初めから乗り越えていたように描写されていた気がする
ともかく
宗介が受け入れ
ポニョは人間になった
映画の登場人物の中では
たぶん
サンのことはアシタカしか
受け入れられないと思う
ポニョのことを受け入れられる
異性は宗介しかいないと思う
パズーの場合は
逆で
自分を変人扱いせず受け入れてくれたのがシータだったのだ
あくまでも個人的な
勝手な解釈だけれど
そういう特別な繋がりは
自ずと一本の繋がりに集約されていくのではないか
というより
一本しか繋がらないのではないか
特別な相手がただ一人いてくれたら
それでいい
特別な相手がただ一人いてくれたら
どんな魔女狩りにも
どんなレッテル貼りにも
どんな理不尽にも
耐えていける
どんな攻撃も効かない
ずっと立っていられる
3本の映画を観る度に
こんなことを思う




自由詩 3本の映画 Copyright ゴースト(無月野青馬) 2015-09-03 20:42:35
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