夢の地図
服部 剛

遠い旅先の、見知らぬ街で
風に震える…痩せっぽちで
牙を向く、狼の哀しみ

暗雲に覆われた空を仰いでは
見知らぬ人々の靴音、行き交う  
孤独な雑踏の
只中で
今日も独り、立ち尽くす

――探してた命のルーツは、何処にある…?

一滴の雨が頬に、落ちる
いつしかアスファルトには
無数の滴の輪が、弾ける

ぐっしょり濡れた、全身が
涙みたいな存在の
異郷に於ける、旅人の現在いま

ひとまずは、安宿に帰ろう
そうして布団に、包まろう

夢の中に広げる地図に
〇をしてゆく
印等が
点と、点を、結ぶ
地上の星座となるように  






自由詩 夢の地図 Copyright 服部 剛 2015-06-26 20:22:09縦
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