結構好き勝手なことを書いているように受け取られるかもしれないが
基本的に俺は、みんな「まとめてどんと来い」精神で臨んでいる。
そもそも誰しもが潜在的な能力を秘めていると思うし、
「潜在的」という点については、みんなが持ちうるものだと思うのだ。
だから、意識を整え、環境を整備し、肯定的な身構えで
何かひとつのことに集中することができれば
もっともっと、その人の持つ潜在意識は発現されるはずだと思うのだ。
だから、ささやかながらその潜在意識を問いながら
ひとつひとつの作品とどう肯定的に向き合っていけばいいのか
っていうことをいつも考えている。(嘘、ときどき)
まだまだ修行中の身ゆえ、もの言いが一義的になってしまうこともあると思うけど
俺は否定しないことを心がけたい。(言葉尻での意味ではなく)
ひとつのことに収斂して言うことは、時として力を持つが
グレーゾーンを広く持つことのほうが、実は相当に難しい。
それは多くを受け入れながらも、健康な体を維持する難しさに似ている。
無菌室的な居場所を作り、そこから自分の細部を守り、
身体によいサプリメントを飲み続けて、異物をひたすら攻撃し
健康を維持することは、何かが違う。
健康な身体とは、異物が漂う場所にあっても、
自身の健康を維持できるだけの免疫力を持っていることである。
それは、どれだけ自分自身と違う意見のものを受け入れながらも
自分の軸を作り上げていくのか、という過程のことだ。
ひとつの物言いにこだわりすぎると
どんどん自分自身の世界と馴れ合いになってしまう。
俺はできれば、自分自身の世界観をどんどん削ぎ落としていきたいと思っているし
自分自身の外側にある表現に触れられるような、日々でありたい。
もし俺が何かを否定することがあるならば、
それは俺自身の中にある向き合うべき壁だ。
それは誰の人生でもない、俺自身の人生だからなのである。
というわけで、今日もぼちぼちいこか。
□其の弐拾壱
『オズ』 ミズタマ ☆☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=16984&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25A5%25AA%25A5%25BA
さあ、今日も行くぞ。ミズタマさんはじめまして。どんな詩かな。ふむふむ。誰にでもわかりやすい言葉というものは、誰しもが馴染みのある言葉ということだと思う。馴染みのある言葉であっても、そのひとの視点が、読み手にとって未知のものであれば、それは新鮮な感動となるだろう。また詩において、書き手がわかりやすい言葉を使う場合、まず自分自身の使う言葉が、自分が当たり前に思っている言葉であるならば、慎重でなければならない。自分でわかりすぎていることを書くこと(読むこと)ほど、作者にとっても読者にとっても退屈なことはないのである。
□其の弐拾弐
『どこかで湯がわいております』 辻野克己 ★☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=18684&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25A4%25C9%25A4%25B3%25A4%25AB%25A4%25C7%25C5%25F2%25A4%25AC%25A4%25EF%25A4%25A4%25A4%25C6%25A4%25AA%25A4%25EA%25A4%25DE%25A4%25B9
どこかで湯がわいております。題名、なんかちょっとそそります。辻野さんはじめまして。あまり普段は使わないよね。冒頭から「どこかで湯がわいております」なんて。どれだけその言葉に説得力を感じさせてくれるか。どれどれ。うーん、真ん中の「どこかで湯がわいております」で終わってたら、余韻があってよかったのになあと思うわけです。後半は、ちょっと説明口調になってしまって、論理的な部分が逆に世界を殺してしまった感。前半部の目線の多様性はいいと思う。もっとその感覚に素直であったほうがよかったのでは?
□其の弐拾参
『サヨナラ』 ためいき ☆☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=16328&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25A5%25B5%25A5%25E8%25A5%25CA%25A5%25E9
ためいきさんの作品。どこかで名前を見たことがあるぞ。はじめまして。オウ、二元論。どちらかを選択しなくちゃいけない物言いは、最後の最後にまで吐かないでおくものだと思うんよ。議論好きなひとはよく、白黒つけたがるけど、白黒つけるときって、よっぽど自分が追い詰められたときの最後のサインのためにとっておいたほうがいいと思う。だって世の中ほとんどがグレーなんだから、そのグレーの中に入って、ためらいながらも主張し続けていくのが、娑婆の生き方ってもんだ。白黒つけたがるひとは、だいたい余裕がない状態に自分を追い込んでいるよ!
□其の弐拾四
『朝焼けの血液たちへ』 清水一希 ☆☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=24085&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25C4%25AB%25BE%25C6%25A4%25B1%25A4%25CE%25B7%25EC%25B1%25D5%25A4%25BF%25A4%25C1%25A4%25D8
ところで、俺ってぜんぜん詩の内容に踏まえて書いてないじゃん、とお気づきの方も多いと思います。なぜならば、既知のものに関して語ることは難しいからです。(みんな結構既知のことばかり語りたがるけどさ)未知のものについて語ることのほうが、エキサイティングだし、知らないことに出会って書くときはたいがい、その作品を敷衍します。だから、反面的に俺は、慣れ親しんだ枠ばかりに囚われていないで、もっと修行をしないとなあ、と思うわけです。なんだか前置きが長くなりましたが、清水さんはじめまして。ちょっと前によく、真夜中のチャットで見かけたひとかな?むう、なんだか題が力技だ。ちょっと力んだ言葉が出てきそうな予感。どれどれ。集められた言葉を見れば、どれだけ言葉の背景を見ようとしているのかもろに出てしまうのだなあ。♪引越ししようよ、世界は広いよ、週刊賃貸。
□其の弐拾五
『まるでどこかにつながっているかのように』 佐々宝砂 ★★★☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=27457&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25A4%25DE%25A4%25EB%25A4%25C7%25A4%25C9%25A4%25B3%25A4%25AB%25A4%25CB%25A4%25C4%25A4%25CA%25A4%25AC%25A4%25C3%25A4%25C6%25A4%25A4%25A4%25EB%25A4%25AB%25A4%25CE%25A4%25E8%25A4%25A6%25A4%25CB
わっ。佐々さんだ。こんにちは。この人の詩はたくさん掲載されているけれども、今まで一度も読んだことがないんだなあ。いい機会なのでレッツ・初トライ!ゴー。うひゃあ、好印象。好きな詩だなあ。千人斬りは、地味であっても派手であっても、ぶっとぶような詩を求めての旅なのだけれども、しみじみと自分の鉱脈を深めてくれる作品もある。わかるわかる、じゃなくてね。そういうものを「好きな詩」と俺は言うのです。象徴的な世界が、紡がれて、ほぐれて、紡がれて・・・。その象徴するものが何を指すのかわからないけれども、この詩の流れは、硬く言ってしまえば、世界の在り方に関する「何か」の普遍的な話題を踏まえている。あえて俺の好みを言えば、最後の一連がなかったほうがよりよかったかも。佳作。
□其の弐拾六
『球形の海』 がらんどう ★★☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=17928&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25B5%25E5%25B7%25C1%25A4%25CE%25B3%25A4
よし、今日は一丁体力の続く限り呼んでみるぞ。がらんどうさんはじめまして。何かが、がらんどうなのかな??ヨムヨム。うっと思ったけど、最後の一連で踏みとどまる。硬質な言葉が向かう先は、最後の呼びかけだ。なんだか作者の内臓を見せられているようなグロテスク感だが、最後にわずかな光を見た。そうか、がらんどうさんの界質はこういう手触りなのか。でもその希求する魂に★2つ!
□其の弐拾七
『その2俳句の非ジョーシキ』 佐々宝砂 ★★★☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=8674&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25A4%25BD%25A4%25CE%25A3%25B2%25C7%25D0%25B6%25E7%25A4%25CE%25C8%25F3%25A5%25B8%25A5%25E7%25A1%25BC%25A5%25B7%25A5%25AD
おっと、また佐々さんだ。これは神の思し召しか?この機会にたくさん読んでおけということだろうか。俳句に関しては、ほとんど無知だから、どんなことが書いてあるのかちょっと楽しみ。いざ。うむ、すごくまっとうなことを言っている。俺の千人斬りにポイント入れるくらいなら、こっちにポイントを入れたほうが筋だろう。どうも佐々作品を食わず嫌いしていたようだ。反省。掲示板などでの佐々さんの発言を読んでいて、知らず知らずに指が遠のいていた模様。こういうのは反省だ。でも、どこかしら佐々さんの過剰な発言をほかの過剰なひとと、ちと違うかなと思っていたのは、たぶんこういう部分の良心なのかもしれない。(こりゃますます作品に触れてないな・苦笑)
□其の弐拾八
『ラララ』 菅井亮('A`) ☆☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=22927&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25A5%25E9%25A5%25E9%25A5%25E9
・・・無言。
□其の弐拾九
『ワードレス』 かるや ★☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=27353&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25A5%25EF%25A1%25BC%25A5%25C9%25A5%25EC%25A5%25B9
かるやさん、はじめまして。言葉を書かせてくれー、というわけで、どんな作品なのかな。むふむふ。言語失調症か。俺もさっき陥ったぞ。でも意外と多弁なのが面白い。ワードレスという言葉に頼りすぎていることが、すなわちワードレスなのか!?
□其の参拾
『皆既』 oldsoup ★☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=1984&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25B3%25A7%25B4%25FB
oldsoupさん、何度かチャットで見かけたことがあります。こんにちは。作品を読むのは初めてです。さてどんな詩なのかな。なんか惜しいぞ。何が惜しいんだろうか。うーむ。たぶん劇的な電柱が、うまく活きていないからなのかもしれない。美味いカレーライスと普通の味噌汁を一緒に味わっているような中途半端感。
□其の参拾壱
『希望』 umineko ★☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=25516&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25B4%25F5%25CB%25BE
あ、uminekoさんが出た。このひととは前に、硬い握手を交わした仲なのだけど、実は作品をひとつも読んだことがない・・・。すまない、uminekoさん!こんな男でごめん。というわけで遅ればせながら、拝読させていただきます。語り口は好きだなあ。このさりげなさが。でもどうしても俺は、正しいことの問いかけに、ずっとキスしていたい、と答えるセンスが駄目なのだ。これはしょうがない。こういうことってあるからね。でも、投げキッスくらいならみんなに送るよ。チュ。
□其の参拾弐
『坊主に関する覚え書き』 oldsoup ★★★☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=14682&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25CB%25B7%25BC%25E7%25A4%25CB%25B4%25D8%25A4%25B9%25A4%25EB%25B3%25D0%25A4%25A8%25BD%25F1%25A4%25AD
よっしゃ、調子よく30人斬りを果たしたぞ。俺はまだ、少し疲れているが無傷だ。なんたって一作品につき1分のペースで読んでいるのだ。どうだまいったか。さてさて、次はどなたかな?わお、またoldsoupさん登場。今日は佐々さんとsoupさんにベストスライム賞を進呈しなきゃ。なんだかへんてこな題名だけど、どんな作品かな。ひゃあ、こりゃ面白いわ。四面楚歌的なアイロニーだ。言葉も踊ってる。いやいや、参りました。十二単をまとった自意識に乾杯!佳作。
□其の参拾参
『拝啓カメルーン』 ILL CHORINO ☆☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=28218&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25C7%25D2%25B7%25BC%25A5%25AB%25A5%25E1%25A5%25EB%25A1%25BC%25A5%25F3
おっと、再びチョリーノさん登場。千人斬り終えたときに、誰が一番登場回数が多いか、百人斬りを終えるまでに、投票で表明してくれたひとには、見事当てた方にもれなく、俺があなたの街まで出かけて一日デートしちゃう権を進呈しよう(男女問わず)。みなさん奮ってご応募ください。ということで行くゼ。わああ、どうでもいいこと書いてるー。だから俺もどうでもいいこと書いてすりぬければいいじゃないかっ。
□其の参拾四
『描かれなかった詩のために』 奥主 榮 ★☆☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=4122&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25C9%25C1%25A4%25AB%25A4%25EC%25A4%25CA%25A4%25AB%25A4%25C3%25A4%25BF%25BB%25ED%25A4%25CE%25A4%25BF%25A4%25E1%25A4%25CB
おっと、これはじっくり読まなくてはいけなさそうな気配の文章だ。奥主さん、はじめまして。名前はいろいろなところで見かけていましたが、文章を読むのは初めてです。野本さんは俺にとって未知の人だ。だから、奥主さんの文章を通してはじめて知る。純粋に作品を読んで感じることは、きっと慎ましやかなひとなんだろうなという印象だった。そして、青白い炎を抱いたひとだったんだろうなということも。訃報を受けてすぐの文章ということで、おそらく奥主さん自身の心を静めるために、そして野本さんを知るひととその想いを共有するために書かれたのだろう。俺はそういう文章は必要だと思う。伝える伝えない以前の問題として、当事者たちにはとって必要な行為なのだろう。俺もそういう場面に出会ったらきっとそうする。
□其の参拾五
『スターになりたい』 今村知晃 ★★☆☆☆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=14187&from=listbytitle.php%3Fenctt%3D%25A5%25B9%25A5%25BF%25A1%25BC%25A4%25CB%25A4%25CA%25A4%25EA%25A4%25BF%25A4%25A4
さて、今日はそろそろ店じまいにするか。ということで最後の方に登場してもらおう。今村さん、はじめまして。以前ひとつだけ、何の詩か忘れてしまったのだけれども、読んだことがあります。妙な元気のある若者という印象が強く残っている。さてさて、どんな詩なのかな?世界との出会いだなあ。みずみずしい、といったら意外な感想かもしれないけれど、やはりみずみずしいよ。俺はみずみずしさが好きだ。ひらかれる瞬間に抱え込んでしまう荷物の重みがリアルだ。青年よ!駆け抜けて行け。
「お客さん、もう店じまいですよ」
「アルキメデス」