グッバイしんきろう
初谷むい





ゆれている頭をとおくに見ていたさ春風みたいな声で笑うな


そのひとの爪のまるさが正しくてくやしい。完成されてるんだね


肯定をする気もないのに目と口がやさしくてしね、死ねも 言えない


どうさのひとつひとつがだめにする目、腺が腺だけがばかになってく


(どうせならだめになるまでやさしいと、)謝りますから許してください


許されるためのつみだよ。手首にはみたことのない時計がきれい


おうじさまという概念。しにたいとおもってしまう。魔法つかえん。


ビル裏でじゃあねの声がおおきいね、うすく眩しいチャリの銀色


指先にぼくらの町がありましてゆういつむにの共有物で





短歌 グッバイしんきろう Copyright 初谷むい 2015-04-19 02:05:53
notebook Home 戻る