ライオン
はるな


ライオンがほえている
わたしは古いつめを捨てて
たてがみをなでてやる

わたしたちはもう
遠くへは行かれないのだ
望んではいないから

いつだったか
夜のふりをした朝が
あなたの頬を染めて
わたしは幸福だった

たてがみをなでてやる
幸福だった
そのことを覚えている
わたしたちはもう
遠くへは行かないのだ



自由詩 ライオン Copyright はるな 2015-03-27 23:24:47
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