今夜は何を召し上がりたい?
クローバー

今夜は何を召し上がりたい?
と、バクが聞いてくるので
やっぱり君は夢が食べたいのだろう?
と、彼は答えた
ええ、そうですの
と、バクはスカートの端を持ち上げうやうやしくお辞儀をし
上質な悪夢には、なかなかお目にかかれませんことよ、おほほ
と、言った
彼が無言でいるとバクは彼の肩に指を這わせ
首筋にキスをした
すっと目が合う
君の用意するものなら何でも
と、彼が答えると
薄く切られた肉が盛り付けられた白い皿が彼の前に置かれた
彼は肉を口に運ぶ、そして
ちょっと脂が強すぎるね、美味しいもんじゃない
と、感想を口にした
バクはソースで汚れた彼の口を舐め
そうね、美味しくない
と、答えた
もう少しいただきたいのだがあるかな?
と、彼が聞くと
バクは彼の背中に大きなナイフをかざし
シュラスコのように彼の背中の肉を切り分けた
この肉は僕だったのか、悪くない
彼は一口含むと笑いだし
はは、輪廻転生も最短だね
と、冗談を言った
するとバクは
あなたもまた循環しているのよ
と、澄まし顔で答えた。


自由詩 今夜は何を召し上がりたい? Copyright クローバー 2015-02-15 22:31:56縦
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