せわしなく掻き出す前足が穴をどんどん深くしていく
阿ト理恵


せわしない日々のなか、外にでたらそれが昼であっても真夜中であっても早朝であろうとも空をみあげて月をさがす。たまに日光をあびてしまい、くしゃみがでる。かならず。なんでだろうね。太陽光線とくしゃみの関係についての講釈があるなら読んでみたいけど。わたしの2015・1・3夕暮れは東の空低く楕円の月明かりからはじまった。そして、青さの残る西の空を、ついでにみたんだ。なんとなくだよ。なんとなくってのはいいね。なんとなくからの驚きは格別だからね。しつこいようだけど、なんとなく、繰り返し云うけど、なんとなくみた西の空に1センチくらいの飛行機が、形がちゃんとわかるくらいのちっこい飛行機に光るしっぽがしゅわわんしゃわわんのびてて。いわゆる飛行機雲なんだけど。ピンクなんだぜ!ピンク!飛行機はこれまた銀色にひかっててさ。もうね、なんなんだよ、なんでこんなときにひとりなんだよぅ〜って、うっかり行方知れずのきみを想ってしまって右の心臓がキリンとなっちまったよ。きみがわたしにあけた穴に猫キャラバンドエイド貼ってるのに、まだふさがっていなかったなんて、



散文(批評随筆小説等) せわしなく掻き出す前足が穴をどんどん深くしていく Copyright 阿ト理恵 2015-01-20 20:16:36
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