きたない夜
AquArium

今年の夜も
いらないことをたくさん考えながら
眠る日が多いのかな
毛布がいらなくなる頃に
薄着になってお昼寝したいな
なんて今から考えてるおろかな夜を
だれか笑ってよ

ベッドにくるまって
なんとなくTVを見ていた
ふと気づいたら
左脚と右手だけが冷たくて
右手はスマホのせいだけど
左脚の冷たさは何処からくるんだろう
部屋の温度は25度を保っているのに

ふたりで眠る夜は
全身が熱を帯びるくらい
あたたかいから
ひとりを感じる夜は
深くて
息がもたないくらい
長くて

連絡もたまにがちょうどよく
新年のあいさつさえ交わしていないから
今年もまた同じ夜を
過ごす約束は見えないね
だからと言って催促もなにもしませんが
近すぎず遠すぎずというやつでしょうか

なにかしら理由を作らなければ
会えないとしたら
それくらいのプライドがあるとしたら
家に忘れていった時計を取りにこないのは
次回会いたくなったときの
口実にしたいのでしょうか
いい加減捨ててしまうよ?

もし違う街へ引っ越して
あなたの世界を見なくて済むなら
もっと堂々と夕飯の買い出しも
駅での待ち合わせもできるのかな
見なくていいものをたくさんもっているから
あたしの世界にくるときは
綺麗な裸のままできて汚さないでね

なにが楽しくて
どこを気に入っているのかを
いちいち探ってみても答えはなく
なんとなくという言葉だけが
しっくりきて
あなたはひとつになることを
ひたすらに求めて

悔しいけれど脈を打つ心臓に
完敗したことを気づかされ
笑ってごまかしながら
おやすみ
いつだってあなたの夜に飲まれ
流されてしまうあたしの夜の行方
何処にいってしまうんだろう?

何処にいってしまったんだろう?


自由詩 きたない夜 Copyright AquArium 2015-01-05 22:17:36
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