透明人間の声援(エール)  
服部 剛

どしゃぶりの雨の中
透けたシャツの後ろ姿のまま
途方に暮れた君が、突ったっている

僕は時空を越えて未来から訪れた
透明人間の旅人だから
声をかけることすらできないけれど
誰よりも親しめる友として
(音の無い声)をそっと、囁こう

なぁ友よ、たとえ
命懸けの恋が破れたって
生まれたての夢が挫けたって
いいじゃないか…

君という物語は
まだまだ
巻き物の如く
未来に向かって何処までものびてゆくだろう

99人にNOと言われたって
ひしゃげた姿勢のまんまじゃ、駄目さ

もしかしたら
100人目の誰かさんが
(あなたの色はすばらしい!)って
絶賛するかもしれないのが
この世の舞台の法則だから

透明人間の僕には、視える

雨の路面を越えて何処までも
つらなる君の足跡と
あの夜明けの空が  







自由詩 透明人間の声援(エール)   Copyright 服部 剛 2014-12-24 00:00:42
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