3本の矢を放ちました。
komasen333


第1の矢を放ちました。
大胆な金融政策でした。
金融を緩和しました。
異次元レベルで緩和しました。
円高を是正しました。
円安が進みました。
株高が進みました。
輸出の後押しにつながると思われました。


しかし
輸出は大して増えませんでした。
為替変動に左右されぬように
また少子高齢化による国内の労働者減少を考慮して
大企業中心に海外移転が既に進んでいました。
国内生産に切り替える流れにはなりませんでした。
だから輸出は大して増えませんでした。


円安を進めて
株高を維持して
輸出を増やして
収益を増やして
雇用を増やして
賃金を増やして
消費を増やして
収益を増やして
設備投資を増やしてという
青写真通りにはいきませんでした。


潤ったのは
輸出産業と大企業と株主でした。
輸入関連の企業や内需企業は
過度な円安による物価高で苦戦しました。




第2の矢を放ちました。
機動的な財政政策でした。
国土強靭化基本計画のもと
公共事業を増やしました。


被災地の復興工事と
オリンピック関連工事が重なり
建築業界が人手不足になりました。
建築資材も高騰しました。




第3の矢を放ちました。
民間投資を喚起する成長戦略でした。
規制・制度改革を進めようとしました。
女性が輝く社会作りを進めようとしました。
農業や医療分野の改革を進めようとしました。


第1の矢
第2の矢に比べると
第3の矢の内容は
物足りない、期待外れという指摘もありました。





3本の矢によって雇用は増えました。
一方で非正規雇用も増えました。
賃金は大企業中心に増えました。
中小企業ではそんなに増えませんでした。
パートやアルバイトの時給は増えました。
円安による物価高で実質賃金は下がりました。


円高是正のはずの円安は
行き過ぎた円安で物価高を引き寄せ
消費税増税とのダブルパンチで
円安の恩恵を少なくしてしまいました。




金融緩和を異次元レベルまでしたのがまずかったのでしょうか。
黒田バズーカなど政府は日銀に頼りすぎたのでしょうか。


消費税の増税タイミングがまずかったのでしょうか。
増税に合わせた景気・反動対策がまずかったのでしょうか。


輸出増加の目算が甘すぎたのでしょうか。
輸出構造の変化を捉えられていなかったのでしょうか。



円安の進行予測が甘すぎたのでしょうか。
円安による物価高を甘く見すぎていたのでしょうか。
円安による物価高対策が足りなかったのでしょうか。


円安と株高で
企業収益と株主利益を増やして
雇用や賃金や消費の拡大につなげるという
トリクルダウンは甘い幻想だったのでしょうか。




金融緩和の出口戦略、
公共事業頼みの財政戦略、
インパクトに欠ける成長戦略など
もろもろの予測や対策が甘かったのでしょうか。





第1の矢はまずまずだったのでしょうか?
いまいちだったのでしょうか。
修正が必要なのでしょうか。


第2の矢はまずまずだったのでしょうか?
いまいちだったのでしょうか。
修正が必要なのでしょうか。


第3の矢はまずまずだったのでしょうか?
いまいちだったのでしょうか。
修正が必要なのでしょうか。


自由詩 3本の矢を放ちました。 Copyright komasen333 2014-12-14 14:55:11縦
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