その女性は海を見ていた
秀の秋



その女性(ひと)は海をみていた。
海峡のコンクリート階段の端にひとり
白いフードベストの背を伸ばし
身じろぎもせず。

子供たちが何人か
近くで騒ぎはじめたが
ちらりと見たきり関心を示さず
海を見ていた。

その悲しみのオーラは
愛した人の死を感じさせた。
あるいは今の絶望かもしれない
渦巻く潮の誘いかもしれない。

長い時間のあと、静かに立ち上がり
こちらに来た




携帯写真+詩 その女性は海を見ていた Copyright 秀の秋 2014-11-12 16:13:02
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