霧の時代
服部 剛
きみは、掴まねばならない
その手をまっすぐ、明日へのばして
耳を澄ませば――確かに聴こえる
言葉ではない、不思議な呼び声
黙したまま私達を待つ
二十一世紀の霧の向こうの、
朧
(
おぼろ
)
な灯
長い間、血の気の失せていた
胸に、脈打つ音よ、蘇れ
世の中の
饐
(
す
)
えた冷気に
悴
(
かじか
)
んでいた掌よ、ゆっくり開け
あの日――世で掴むべき夢の為に
きみの産声は天まで、
轟
(
とどろ
)
いた
やがて霧の幕は開かれ
刷新されるべく、この世界で
自由詩
霧の時代
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服部 剛
2014-10-28 20:25:53縦