洗濯日和  
服部 剛

母ちゃんが、洗濯物の皺をのばして
竿に衣服を干している。

実家を離れて久しい
娘についての深い悩みを
ひと時、忘れて。

日にましろく照らされた
タオルを
丹念に、のばして。

僕は、幼い頃の姉と
笑ったり泣いたり
ケンカした部屋の
窓枠から
いのるように、見る。  

息子の里帰りに
背すじを少し、のばした
初老の母ちゃんを。  







自由詩 洗濯日和   Copyright 服部 剛 2014-10-28 19:58:56縦
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