遮光
ゆうと


さようならとお別れしたっていつかは夜がくるね。
朝はこないのに。
涙で体温を上げないで。
夢はさめないままがうつくしいんだよ。

目障りなきみがいなくなった。
ころされるほどきみはよわくないし、ころすほどぼくはつよくもない。
無理をしないでいいだけ。
暗くなってようやく息ができる。

明日またひとり死ぬよ。
あと何人残っているかな。
戦うほどぼくはつよくないよ、負けるほどぼくはよわくもないけど。

すきもきらいもなくなった世界で、死だけがまぶしい。
からだを焦がしていくよ、愛情にも似たあたたかさで。




自由詩 遮光 Copyright ゆうと 2014-10-08 18:29:14
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