国外の女
不老産兄弟
国外の女が
盈月ホロホロに杯めく山々を隔して
抱きしめてくれたんです
金髪でした
雪をかぶった斜面に泣き、泣き、泣き
左手に見下ろす官舎から
笑顔で見送る仲間たちが小さくなっていきます
夜になるとふくろうたちがどこからともなく集まってきます
盛り場のすみに押し出されるようにしてすり減らした体温を
坊主達が血色のよい蝋人形みたいに大胆にかき集めています
白濁した袈裟にダンヌンツィオと
女衒のススキノ
今日の寝床です
自由詩
国外の女
Copyright
不老産兄弟
2005-01-29 14:51:00
縦