かたがわ
藤鈴呼



横顔に隠されたものを
探してみませんか

半分の わたくしは
見せておりますが

もう片方の アタクシは
診せられませんので

店に 置いて 来ました
魅せられる時が来たなら
披露 いたします

疲労した声で
拾い上げたのは
幾つかの うずまき缶

アンモナイトの殻は
オーロラみたいに 耀いて
私達を 魅了しますが

中身は 見つかって いないもの

どんな 時代だったのか
ヤドカリみたいな
宿だったのか

地層を 引っくり返せば
御馳走様とばかりに
今日の おかずも
明日の 予定も
決定されるのですが

蹴り上げて しまえ
あなたが
大切な 証拠を
隠滅して しまったから

もう 分からないのです

くるくるとした 不思議の中に
包まれて しまって

マイクロファイバーの ガウンで
温めた ワタクシの 中身みたいに

少し 発熱していますが
ハッスルする程の 気力はなくて

反吐が出る直前で
洗濯機を 回す

最近は 二度押ししないと
上手く 動かないのです

キシキシと 悲鳴を上げる
通報されない内に
耳を 塞ぐ

不思議な うずまき缶は
どんな 缶切りでも
開かない

くるくる螺子よりも
最少の 粒子よりも
複雑な 形なのです


自由詩 かたがわ Copyright 藤鈴呼 2014-09-12 18:54:01
notebook Home 戻る  過去 未来