栄光
藤鈴呼



何処に 隠れてしまったのか 探す
この 窪みか
この 暗闇か

真っ暗だと思えた町並みに
灯りが見える度
ちょっとだけ 救われた 気になって
目を凝らして 前を 見つめるけれど

果たして それは
真実の 明るさだろうか

年月をかけた分だけ
年輪のように 広がるならば
傷も また 然り

切り裂いたり
粘着テープで くっつけたり
100均のボンドを 探し求めたり

喜んだり
貼り付いたり
針つけられたり

でも
刺されなければ 平気です
痛く ないから

物理的な 痛みを
伴わないから
あたし 平気です

そう 呟いて
音無しの滝と 灯篭に
全てを 閉じ込めた


自由詩 栄光 Copyright 藤鈴呼 2014-08-27 20:33:49
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