笛を吹くひと
服部 剛
公園広場の人だかりに囲まれて
学ラン姿の少年は、笛を吹く。
指をぴろぴろ躍らせて
黒い瞳は
魚
(
うお
)
のよう。
楽しいメロディ奏でつつ
耳はだんぼに開いてる。
身も心も空っぽにして。
音楽の神様が背後で振っている
あの透明の指揮棒が
風を、切る
たまたま遠くから聴こえた、君の
音
(
ね
)
に
足を止めた大人の僕も、日々の動作で
魚の目になり
(無心の時)を泳ぎたい
自由詩
笛を吹くひと
Copyright
服部 剛
2014-08-23 23:15:57縦