湖面
藤鈴呼

ピキッと入った 切れ目が
縁の切れ目と 呟いて
円形の 筒を 見詰める

堆く 積まれた 其れは
彼方迄 伸び
留まる事を 知らない

トクン トクン
この 心臓を
赤い 血液が
流れて 幾の

幾つのポンプが 循環したら
もう一度
戻って 来られるのかしら

お前は 間違って居る
そんな 台詞と ともに

ピシッ と 指差されるかのような
苛立ちと ともに

冷たい 湖面を 見詰めれば
反芻する 山彦が
遠くに
近くに

聞こえる
聴こえぬ
効いてる
訊いてみる

ピシッと入った 凍りの線が
妙に 綺麗で

見とれたまんま
その場から 離れられなかったよ


自由詩 湖面 Copyright 藤鈴呼 2014-08-18 14:38:06
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