11
きるぷ

二人称だった、ぼくは今日。涼しく朝には吹いた。それを感じた。風を。歩いて、まだわからない。なんのために?思うとそうだ。風を。猫はまだあそこで寝てる。ソーダ、記憶。島の。歩いて鉄条網、看板を、ぼくはわからない。思い出してる。その日、乗っていた。音がして、飛んでいた。とんびが輪を。何度も何度も。寄せて、そうして乗っていた。歩いていた。しらす干し。匂いがして、来た。終わろうとしていたのか。意味もなく、ありようも。何度も、島の。あなたが、風の、吹いた、匂いがして、来ようとしていた。引いて、いて、そこに何度も。飛沫を今日は歩いて向かった。その奥に光る眼の、風鈴が錠前をおじさんの同じ場所で。風を。バスの。何度も輪を描いて、いた、そこに。ブザーが鳴る。いつものことだった。今日、そこには、いつだったろう。帰る。そこで撮影する。引きずっている、今日はとても闇に浮かび上がって。泣いていた、変わって。わからない。島の?輪を、上を見ながら、啼いていた。見えるような気がした。そんなふうに時は過ぎた。風を。こんにちは。

 ほとんどすべての物が感受へと手招きする、
 曲がりかどごとに吹く風がささやく、思い出せ、と。
 わたしたちがよそよそしくやりすごした一日が
 未来のなかでふと贈与へと決意する。

思い出したかのように、後ろへ長く伸びたほうから出来事はぼくへ向かってさっと振り返り、唐突に挨拶をする。それをやはり曖昧な、層をなす一瞬の重さのなかでぼくは捉え、その無邪気な仕組みには傷つく他はないのだ。まだ知らないほうに向かって怯えながら、もう知っていたほうから脅かされて。


自由詩 11 Copyright きるぷ 2014-08-16 21:58:06
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