陽炎の道  
服部 剛

それは二度と帰れない季節
それは陽炎かげろうの向こうの想い出

もう、手の届かない恋があり
これから手を伸ばす、夢があり

永遠とわに年齢の無い旅人のまなざしで
今日から僕は世界に、恋をする

――草よ、花よ、樹よ、人よ
――織り成す日々の出来事よ

日々にまみれて、歩みつつ
額に垂れる、汗を拭って
あの陽炎の揺らめく明日に
やがて薄っすら視えてくる

約束の物語を描こうと
青空に浮かぶ不思議な
手の像に
握られた、天の絵筆が  







自由詩 陽炎の道   Copyright 服部 剛 2014-08-04 23:19:38
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