高円寺、阿佐ケ谷、下井草、中野
馬野ミキ

阿佐ケ谷に引っ越したKに会いに行った
Kの働く作業所(主に知的障がい者の人たちなどが働く喫茶店)で
Iphoneのゲームの情報を交換などした
昨日ipadを買ったらしい
彼は高円寺の路上である種名の知れた存在なのだが
ここのところ路上に疲れてしまったらしい
でひきこもってゲームをしていると。
そのうち彼が疲れたと言って寝てしまったので高円寺をうろついた
それから駅前の個室ビデオに入った
酒と個室ビデオ、街に出かけても俺の行動は限られている・・
2時間コースで入ったが一時間もしないうちに果てた
くそう 1時間コースにすればよかった・・
3000円持ってきたが1600円消えてしまった
競争相手がないので新宿や池袋に比べ割高である

そうするとKから電話が来て
うちに来ないかというので阿佐ケ谷で待ち合わせをした
Kは自転車の荷台に熊のプーさんを載せていた
Kの部屋で600円のカベルネソーヴィニヨンを飲んだ
Kは一文無しだった
Kは金のないときにしか俺に連絡をしない
俺は105円Kに恵んだ
カセットコンロを買ってスパゲティーを茹でることが可能になるからだ

Kと別れ下井草でE子がやっているバーを目指した
5、6人客が入れば満員になる小さなバーだ
バーの売上ではなりたっていかないのでE子は別の仕事もしている
残り1000円か、、
ビールを二本飲んで帰ろうかと思ったがツケの交渉をした
常連の植木屋さんにビールを2本おごってもらった
彼はネプチューンのホリケンに似ていた
ホリケンが帰った後E子もカウンターに来て二人で飲みだした
店で何かイベントをやろうという話、自転車にとって車は邪魔である車にとって自転車は邪魔であるという話、愛人について、ドラッグのこと、人生と世界とは?
酒に酔い気の向くままに話した
それから昔なじみのUに下井草で飲んでるから来なよと電話をした
日本橋で会議中だという ワオ
もう20年以上前、神戸から音楽をやりに上京した男で今は小さな土建屋の取締役をしている
以前俺のアパートで世話していたことがあった
Uは約束の時間から三時間遅れで下井草にやってきた
ぶっとい作業を着ていなかったのが印象的だった
ぶっとい作業着は俺たちの1つのトレードマークだった
それからずいぶんと物腰が大人になっていた
1、2年会ってないだけなんだが・・
この頃の友達は皆俺の事をミキと呼び捨てで呼ぶ それはとても気が楽なことだ
Uは言った
会社の経営プランの一つとして中野にバーをオープンするということ
そこで時給2000円で俺を雇ってくれるという話
願っても無いチャンス!
だが店舗が空かないことには具体的に話が進まないらしい
今年中か、来年かとUは言った
バーの隅に座って煙草の煙を揺らしている俺 これはなかなかいい絵じゃないか
酒を飲みながらイカれた客をネタに詩をかくことも出来る
この仕事決まれば最高なんだが・・



自由詩 高円寺、阿佐ケ谷、下井草、中野 Copyright 馬野ミキ 2014-07-30 15:24:06
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