不憫
アンドリュウ

世の中のもの凡てが不憫に思える時がある

皆沈むまいとして必死で水を掻いている

くしゃくしゃになりながら
それでも顔を歪めて嗤ってみる

そうだよなおまえも
騙されてここにいるんだよな

何が悪いとか
何がいいとか
勝手に決められて
最初から勝ち目はないんだよ

ただ温もりだけを信じて
ここをなんとか生き延びようとする

本物は皆知っているのさ
自分の無様な死にざまを

不憫 不憫 不憫
こんなずぶ濡れの躰でも
抱きあっていれば
互いの温もりで
少しの間救われる

甘い汁などないよ
勘違いしてるだけさ
だってオレ等は皆同じ
ただの木偶の坊の集まりさ


自由詩 不憫 Copyright アンドリュウ 2014-06-29 08:15:28
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