けれど波打ち際で
アンドリュウ

あんたの柔らかな触手が伸びて
あたいの美しい尾びれにふれるとき
ああそうだったんだねと
むかしの逢瀬があぶくのように浮かびくるの
びしょぷぼぶでの限りないあいとほうしの蜜
ぐるぐるぐるる〜やっぱりあんたはいつもそう そうそう

月夜の晩にあなたと泳ぐやるせなさ
銀のおべべにアンバーの吸盤
だるくだあ〜るく抱きついて
静かに沈んで ゆめのきゅうさく
カールポランニー ジヨルジュバタイユ ああ
とろけるスミを吐きかけて

つきせぬおもいのほろにがさ
あこや貝の狂おしさ・・・
それでも好きというのなら
肌をあわせてひさしい竜宮へ
しずかにそろりとまいりましょうぞ
いとしい あんた


自由詩  けれど波打ち際で Copyright アンドリュウ 2014-06-17 19:45:23
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