色エンピツ
瓜田タカヤ

なんか今にも盗れそうだ
すぐにでも剥がして
あんたにあげられそうだ。


風景は無期限にあえぐ
霧のコンビニエンスストアで
何も切り取らずに
五感を放置する

人妻
首長竜はそんなに長くもナインでしょうって
俺の腰をさわる

女医室の女医
版画家の甥
愛のコォフィー豆
熱風越しのフェラ
蛇の形態をとる右腕
パンチ力は電気信号を不自然に奏で
ヒーターの熱に安堵し
  アマゾンに憧れた女は
ランダムに尾てい骨を振るわし
濡れた木のテーブルをかじる

背骨に溜る蠅
かすかに羽根をよじる闇の揺らぎ
黒の全部

存在の蠅

俺は想像上の蠅取り紙でなんとか人間を型どる。

存在の蠅に染み込んでいなくては
浅い建物さえもそよげない

宇宙でも生きている君をあいしている

色エンピツの芯が簡単に折れるくらいに

君を求めている


自由詩 色エンピツ Copyright 瓜田タカヤ 2005-01-23 02:24:58
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