葡萄酒の晩餐
服部 剛

御褒美の、早いひとがいる。
御褒美の、遅いひとがいる。

人生の開花予報はいつなのか?
そんなことは、知ったこっちゃあないのです。

(明日は明日の風が吹く)
と誰かさんが言ったっけ。

(明日を思い煩う勿れ)
と誰かさんが言ったっけ。

時を織り成す者は
人の思いを遥かに越えて
(あなたと私)の間に、吹き渡る
あの風だと――
知った日

僕がこの世に生を受けてから
一万四千分の、一である今日の日に
(私とあなた)の縁の不思議を思いつつ
親しい友と杯を交わしたいような
晩酌の夜

グラスに注いだ葡萄酒の赤い血を
僕は一気に、飲み干した。










自由詩 葡萄酒の晩餐 Copyright 服部 剛 2014-02-10 22:24:27縦
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