夢の火    
服部 剛

パスカルの「パンセを」を開いたまま
転寝うたたねをした、瞬時の夢の一コマで
見知らぬ教師は
黒板の上から下へ
まっすぐ白い線を、引いていた

そこで目覚めた僕ははっきり、った

じっと根を張る木として立つならば
ほんとうに大事なものは
日射しも、雨も
天から地へと  
まっすぐ降るということを――

それから、僕の思念の暖炉には
もう消えることの無い
不思議な炎が
ひとの姿で囁くように
揺れている  





  


自由詩 夢の火     Copyright 服部 剛 2014-01-10 23:59:42
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