【終】おしまいの彩り
るるりら





【おしまいの彩り】
          るるりら


胸が焼けただれるような思いが ある
たとえば 死の足音におびえ すすり泣く声
黒点が太陽の灼熱を際立たせるように
終らない物語の初めに だれかが笑っていた 
バラックで泣いていた 誰かをあやす人、あの人は誰

胸が はだけることが なかったか
たとえば タートルネックの子がある日見せた キャミソールの
ビーズ
重点が不埒に拡散し水滴の いさみあし
終らないでよの物語の初めに しのばせる置手紙
シルクの風合いに顔を隠した あの人は、誰 

胸が ひしぐことが ある
たとえば 信じたくない人の臨終を聞かされた日の 震え
終るはずはない 痛みだ 辛くともいい 終らないでほしいとせがんでも
すべて おしまいに
つづいているだなんて

気をとりなおして
庭に出ると 
季節外れの紫陽花に 
今年はじめての雪が
おしまいにならなかった花の上に 降っている




携帯写真+詩 【終】おしまいの彩り Copyright るるりら 2013-12-21 01:31:02
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